構造としての企画部門(4)〜営業企画は営業部門の〇〇を△△することで利益を5倍にできる〜

皆さん、「企画」って言うと大体の方は商品企画とか、マーケティング企画とかをイメージされますよね。

一般的にそういった「企画」ってクリエイティブでイケてる仕事と思われていますよね。

ところがいまサワダを始めエースラボの面々が取り組んでいることの一つである「営業企画」という仕事は、同じ企画でも地味でコツコツの、非クリエイティブな仕事に見えます。

クリエイティブ志向の経営者のみなさんはこういったジミ仕事にはあまり気を向けることなく、新商品開発や、マーケティングなどのクリエイティブなお仕事に力を注いでいらっしゃるようにお見受けします。

業務の改善手法も「チームビルディング」とか「エンゲージメント」とか「モチベーションアップ」とか、とかくイケてる手法を選びがち。

もちろんそういったイケてる改善手法に効果がない、と言いたいわけではありません。

しかし、エースラボが取り組んでいるジミーな「企画」仕事を本気で作り込んでいくのも同時に取り組んでみたらいかがでしょう。

この地味企画をやっていくと会社が確実に成長し利益が安定してでるようになっていきます。

実は地味に見えるこちらのほうの「企画」も「クリエイティブに計画を立ててその通り実行させること」や「実行の手順をクリエイティブに改善しより合理的に実行させること」という意味では十分「クリエイティブ」な仕事。

しかもこちらの方のクリエイティブは、失敗のリスクも少なく、経営を確実に最短距離で成果に導くことができるんです。

実際のところ、クリエイティブかつ安定して成長していく企業には、必ずこの地味企画の要素があるものです。

今回は、この一見地味な企画部門の代表である営業企画部門が、経営を良くして利益を5倍にできるというお話をさせていただきます。

「ジミ企画の代表、営業企画があるだけで利益が5倍になるなんて、そんな話信じられない!」

そうお考えの皆さんに、サワダが大事なポイントをいきなりお伝えします。

優れた営業企画があれば、トップ営業マンと同じ成績を出せる「フツーの営業マン・スーパー」を量産することができるから。

以上! これが営業企画があるだけで経営が良くなる理由。

これだけでは、なんのこっちゃ?だと思いますので、これから順番に説明させていただきます。

まず前提として言えるのは、普通の会社は、トップ営業マンがいてもせいぜい10人に1人か2人、あとの8人か9人は、赤字スレスレの「フツーの営業マン」であるという事実(パレートの法則どおりです)。

ですから多くの会社の営業成績は替えの効かないトップ営業マンのコンディションに左右されてしまいます。

しかし、優れた営業企画のいる会社は違います。

真のトップ営業マン1,2名の他に、トップ営業マンと変わらない成績を出せる「フツーの営業マン・スーパー」が8,9人。

いったいどちらが「良い会社」か、考えなくてもわかりますよね。

では、優れた営業企画がいると、どうしてそんな「フツーの営業マン・スーパー」が量産できるのか?

それは、優れた営業企画はトップ営業マンの行動を徹底的に観察し可視化することで、フツーの営業マンにトップ営業マンと同じ行動が取れるよう、仕向けることができるから。

「そんなことならトップ営業マンがフツーの営業マンに教えれば済むことでしょ?」

「わざわざ自分で売りもしない営業企画をチームに加えたら損でしょ?」

今、そう思った方も多いんじゃないでしょうか?

たしかにトップ営業マンが、その行動プロセスを「客観的に分解」して、社内に共有・指導する能力があればそれに越したことはありません。

しかし、トップ営業マンという天才は、そもそも自分自身の能力に無自覚で、「なぜできるのか」を他人に説明できないことが多いんです。

だから彼らにフツーの営業マンに対する指導をお願いすると、たいてい「どうしてできないの?」「やる気出せよ!」といった、パワハラ指導や、「オレはできるけどね、こんな当たり前のことが出来ないならおとなしくしてていいよ」といったモラハラ指導になってしまい、フツーの営業マンはただ萎縮するだけ。

だから結局、営業企画がない会社には、1人か2人くらいのトップ営業マンがいるだけなんです。

しかし、上記のようにトップ営業マンが行動プロセスを共有できてなくても、社内に優れた営業企画があればどうなるか?

実は優れた営業企画はトップ営業のプロセスを分解、可視化することができるんです。

だからトップ営業マンが実行するプロセスと、優れた営業企画が立案するプロセスは、100%の確率で例外なく構造が一致しています。

そして優れた営業企画は、その優れた営業プロセスをフツーの営業マンに共有させることが可能なわけなんです。

ここまでご理解いただけた方は、天然物の「トップ営業マン」が一握りいる会社よりも、「優れた営業企画」を社内に持ち、トップ営業マン並みの成績が出せるフツーの営業マンが大量にそろっている会社のほうが、良い結果を生み出す確率が圧倒的に高い、という私の主張に合意いただけるのではないかと思います。

また、万一不幸にもトップ営業マンが不在の会社でも、優れた営業企画があれば、トップ営業マンにふさわしい行動プロセスを立案し、社内のフツーの営業マンに徹底共有することができる、ということにも同意いただけるのではないでしょうか。

でもまだいくつかの疑問が残りますよね?

1、トップ営業マンと優れた営業企画だけが持つ優れた営業プロセスとは?

2、優れた営業企画はどうやってフツーの営業マンがスーパーになれる営業プロセスを教育するのか?

3、優れた営業企画のコストは、得られる利益に対して見合うものなのか?

これらの代表的な疑問に一つ一つお答えしていきたいと思います。

1、トップ営業マンと優れた営業企画だけが持つ優れた営業プロセスとは?

まず、トップ営業マンと優れた営業企画だけが持つ優れた営業プロセスというのは一体どんなものなんでしょう? フツーの赤字スレスレ営業マンとの違いはなんでしょう?

まず最初に考えてみたいのは、全体の2割程度の人数しかいないと言われるトップ営業マンたちは、どうしてトップクラスの売上を上げられるんでしょう?ということです。

「トークが上手い?」「売り込みがうまい?」「足を使って稼いでる?」

表面的なところを見ればそう見えるかもしれませんが、実はトップクラス営業マンの本質はそこではないんです。

彼らの行動は実に論理的かつシンプル、トークがどうとか言うのは、彼らが論理的でシンプルな行動を取ったあとのオプションに過ぎません。

では、トップ営業マンや優れた営業企画は一体どんな論理的でシンプルなプロセスを持っているのか?

架空の設定にはなってしまいますが、具体的な事例形式で考えてみましょう。

駄菓子の卸売を営む中堅企業、株式会社KIBIDANGOの川流桃太郎さんは毎年1人で2億円をコンスタントに販売するトップ営業マンです。

株式会社KIBIDANGOの総売上は5億ほどですから、1人で半分近くの成績を上げている計算です。

そんなトップ営業マン桃太郎さんの頭の中をのぞいてみましょうか・・・

 

1)まず今月の着地点を予測し行動を取る 

確定売上+当月見積単価Xクロージングアポ数=今月の着地点

「さてと、今月20日時点での自分の売上は、今月の売上目標1800万に対して売上1450万(確定売上)

すでに商談したお客様に出した見積り金額を合計すると4件で1000万で1件の平均は250万(当月分見積単価)、このうち半分の2件が決まれば、500万にはなるから、これを足して1850万(今月の着地点)、今月の予算達成はほぼ決定だな。

4件のうち2件かー。この中で決まりそうな順番に並べると、、、犬田さんと猿山さんが確度9割、雉沼さんは6割で、小路井さんが4割。

犬田さんと猿山さんに集中しよっと。じゃあこの2件アポ取って(クロージングアポ数)、再プッシュしに行くか。」

1450(確定売上)+250(当月分見積単価)X2(クロージングアポ数)=1850(今月の着地点)

 

2)次に来月の目標額に応じた行動計画を作る 

次月売上見積総額X見積注文率+アポ数X商談見積率X見積単価X見積注文率=来月の売上目標額

「そうそう、来月の準備もしなくっちゃね。

来月の目標も1800万だな? えーっと、来月売上できそうな仕掛り案件の見積もり総額が3000万(次月売上見積総額)あるけど、これ全部注文が取れるわけじゃないからな。

自分のここ3年間実績として、見積から注文になる確率は50%だから(見積注文率)、ここから売上になるのは1500万(来月売上見込)か、目標達成にはあと300万の注文が必要になる。

ここも見積もりの50%が注文になる(見積注文率)として、300万(来月必達追加売上)の2倍の600万円分の見積もりをしておきたい。

1件あたりの代表的な見積もり額が200万(見積単価)だから、3件の見積もりが必要。

商談できたとしても、見積もりまでさせてもらえる確率も経験上50%(商談見積率)

だから、ここも2倍の6件の既存客のアポを、今月のうちに取っておこう(既存客アポ)。」

1)3000(次月売上見積総額)X50%(見積注文率)=1500(来月売上見込)

2)6(アポ数)X50%(商談見積率)X200(見積単価)X50%(見積注文率)=300(来月必達追加売上)

3)1500(来月売上見込)+300(来月必達追加売上)=1800(来月の売上目標額)

・・・えーっと、再来月は既存客だけじゃ足りないから新規客の開拓もしなくちゃ、新規アポ入れから面談できる確率は・・・・(以下略)

・・・と、こんなふうに桃太郎さんはじめトップ営業マンは、眼の前の目標はもちろん、未来に向けた行動プロセスが取れる、自分なりの成功定理と公式を持っています。

いっぽう、全体の8割以上を占める売れないフツーの営業マンはこういった「仕掛けに行く」行動プロセスを持っていません。

成功定理も公式もなく、毎日ただ目の前の仕事をこなしているだけですから、当然結果もその分しか出ないわけです。

トップ営業マンも、フツーの営業マンに成功定理と公式を教えたいのでしょうが、前に述べた通り、トップ営業マンは天才なので自分自身の能力に無自覚で、「なぜできるのか」を他人どころか自分にも順を追って説明できません。

実は桃太郎さんも、自分で定理・公式化したわけではなく、優れた営業企画ことサワダが彼の頭の中を文章にして可視化し、さらに定理・公式化したというわけ。

このように、優れた営業企画はトップ営業マンの行動を徹底的に観察し可視化し定理・公式化する能力を持っているので、トップ営業マンが実行するプロセスと、優れた営業企画が立案するプロセスは、100%の確率で例外なく構造が一致します。

だから優れた営業企画は、その優れた営業プロセスをフツーの営業マンに共有させることが可能なわけなんです。

2、優れた営業企画はどうやってフツーの営業マンにスーパーな営業プロセスを教育するのか?

では優れた営業企画はフツーの営業マンにどんな指導をするのかと言いますと・・

実は優れた営業企画は売れないフツーの営業マンに、小手先のスキルも指導しませんし、ハッパもかけません。

営業企画はまず基本的な業務として、営業部全体はもちろん、営業マン自らのポジションを明らかにするために、チーム別・個人別のほか分野別・商品群別などの売上・受注データを作成・提示し、営業が置かれている現状やこれから進むべき道を明確にします。

実はここまでは「優れた」が付かない営業企画でもやっていることなのですが、大切なのはここから先。

優れた営業企画はさらにトップ営業マンの行動を徹底的に観察し、その行動プロセスを可視化したマニュアルを完成させます。

もしチーム全体の士気が高ければ、このマニュアルを共有するだけで自動的にチームが動き出すんですが・・たいていのフツーの営業マンはそこまで士気が高くない場合が多いと思います。

そこで優れた営業企画は、このマニュアルに書かれた重要なポイントになる行動プロセスの部分のみルール化し、営業企画で管理できる状態にします。

桃太郎さんの会社にいる、フツーの営業マン、鬼太二さんを例に取ってみましょう

1,まず優れた営業企画は、鬼太二さんの現時点での予算達成状況と、目標とのギャップを平均客単価で割った必要売上件数を明示します。

今月15日時点の売上は、目標1000万(桃太郎の60%)に対し400万

ギャップは600万なので平均単価200万として、3件の売上が必要。

2,次に鬼さんに、手持ちの見積案件をABCなどの確度をつけてもらい一覧化してもらいます。

鬼さんは、下記の内容の入ったリストを作成

A:虎皮商店200万 B:角田商事200万 C:カナボウ200万

3,そのリストを元に営業企画が確度毎に一定の係数をかけて今月の着地点を見える化します。 Aランク90%、Bランク60%、Cランク40%の確率として

200X90%+200X60%+200X40%=380万

400+380=780万(今月の着地点)

4,営業企画は鬼さんに達成に向けての行動をスケジュールに落とし込んだ行動予定表を作らせます。

鬼さんは「達成に向けて3日以内に虎皮商店、角田商事には単独アポ 大手のカナボウには上司桃太郎の同行をお願いする」内容の行動予定表を作って、営業企画と上司の桃太郎に公開します。

5,営業企画は、鬼さんの着地点が予算を下回っているので、そのギャップを埋めるための、必要新規案件数を平均客単価から割り出し明示。

1000−780=220万の不足 見積注文率50%からみて 200万X3件の見積もりが必要

6、営業企画は鬼さんに、既存顧客のリピートや新規顧客開拓でどのくらいの案件開拓を行うかスケジュールに落とし込んだ行動予定表を作らせます。

鬼さんは「今週中に商談見積率50%からみて、既存顧客のトマホーク商会はじめ6件の既存顧客にアポを取り3件の見積を獲得する」内容の行動予定表を営業企画と上司の桃太郎に公開します。

7,そして営業企画は、営業会議で公開された行動予定表の進捗を確認するなど、行動をチェックできる仕組みを作り、鬼さんが成果に結びつく行動が取れるよう、支援します。

彼らはこのように、各営業マンにはっぱをかけたり、教育するわけではなく、成果の上がるプロセスを極め、それを仕組み化し、売れないフツーの営業マンがそのレールの上でやるべこことをやるだけで、科学的に自動的に「トップ営業マンのような行動」が取れ、トップに近い成果が挙げられるようになることに全力を尽くします。

また優れた営業企画はDXも活用して、そう行動しないと仕事が前に進まない業務の「仕組み」を作るなどして、フツーの営業マンにトップ営業マンの行動を強制的に模倣させることもします。

例えばパソコンで案件登録する時に、「次回面談予定日」など少々ヌケているフツーの営業マンが、ややもすると確認を忘れがちで、でも今後の円滑な受注活動に絶対に必要な情報については、その項目を入力しないと次画面に進めなくするなど。

優れた営業企画は、普通の営業マンが犯しがちな無作為や無駄足を踏ませず、自然と効率的な行動が取れるように仕向けます。

つまり優れた営業企画は、客観的なデータとそれにもとづく営業の仕組みづくりで、全体の8割を占めるフツーの営業マンを、トップ営業マンに限りなく近い成績をあげられる、「フツーの営業マン・スーパー」になれるように導いている、というわけなんです。

実際、営業企画のない会社の多くは営業マンの品質がバラバラです。

もちろん営業企画がなくてもトップ営業マンは、一定の成果を出すことができます。

しかし全体の8割を占めるフツーの営業マンは優れた営業企画なしでは、眼の前の仕事をこなすだけになり、赤字ギリギリか良くても自分の給料分トントンの成績くらいしかあげられていない。

だから、営業企画のない会社はトップ営業マンの上げる利益分しか手にできないし、もしトップ営業マンが調子が悪いと(最悪辞めると)、とたんに営業利益が出なくなってしまうのです。

もう分かる人にはわかったと思いますが、営業企画がアップさせるのはトップ営業マンの成績ではなく、全体の8割のフツーの営業マンのパワーなんです。

つまり、まるでトップ営業マンのような行動を取れて、トップ営業マンのような成果が出せるフツーの営業マン・スーパーを「量産」できることが、優れた営業企画の真骨頂、という訳です。

3、優れた営業企画のコストは、得られる利益に対して見合うものなのか?

コスト面に関して、ここでちょっとしたシュミレーションをしてみたいと思います。

そのシュミレーションは

「もし全体の8割のフツーの営業マンの成績が赤黒トントンから、KIBIDANNGOさんの事例のように、トップ営業マンの60%くらいの成績に上がったら?」

というものです。

トップ営業マンの80%とかまで近づけるのは大変そうですが、60%だったらこれまでお話しした方法で出来そうでしょ?

なるだけイメージしやすいよう、売上5億で10人の営業マンがいる卸売会社で考えてみましょう。

この会社の営業マンは、パレートの法則により2人がトップ営業マン、8人がフツーの営業マンということになります

フツーの営業マンの力がトップ営業マンの4割と仮定すると、トップ2人が年間2億(1人1億)、フツーの社員が8人で3億(1人3千7百万円ちょっと)売ることになります。

1億X2(トップ営業マン)+1億X8X0.4(フツーの営業マン)=5億(売上)

もし営業企画のお陰でフツー社員が、トップの60%まで力を発揮できたら、8人で4億8千万円(1人6千万円)なので売上は5億円から1億8千万増の、6億8千万になる計算です(1.36倍)

1億X2(トップ営業マン)+1億X8X0.6(営業企画の支援を受けたフツーの営業マン)=6億8千万(営業企画で改善された売上)

営業企画を入れて売上が1億8千万増で1.36倍! って結構いい感じじゃないですか?

利益も同じく1.36倍なんですが、仮に平均粗利率が3割と仮定すれば・・・

営業企画がない状態での粗利は1億5千万円、しかし営業企画がある状態なら粗利は2億4百万円で5千4百万円のアップ! これもなかなかいい感じですよね?

1億X2X0.3(トップ営業マン)+1億X8X0.4X0.3(フツーの営業マン)=1億5千万(粗利)

1億X2X0.3(トップ営業マン)+1億X8X0.6X0.3(営業企画の支援を受けたフツーの営業マン)=2億4百万(営業企画で改善された粗利)

しかし! ここで会社にとっていちばん重要な「営業利益」に注目すると、実はもっとスゴイことになります。

「営業利益」は御存知の通り、粗利(売上総利益)から人件費や水道光熱費、地代家賃、荷造運賃などの会社運営のためのコスト全て(一般管理費と言います)をマイナスしたもので、会社の本業の利益を表すものですから、「重要」ということはおわかりいただけると思います。

この会社が営業企を持たず、売上5億、粗利1億5千万の状態で、一般管理費が1億4千万だったと仮定すれば、ここで得られる営業利益は1千万円ということになります。

1億X2X0.3(トップ営業マン)+1億X8X0.4X0.3(フツーの営業マン)ー1億4千万(一般管理費)=1千万円(営業利益)

一般管理費が高いようにも見えますが、売上5億の会社なら普通このくらいはかかるものですし、売上5億で1千万の営業利益なら普通の中小企業なら「上々」というところでしょう。

では、この会社に営業企画員(マネージャー級とアシスタント)を2人配置したことにしましょう。

給与や福利厚生費にその他費用で、マネージャー級1千万とアシスタント400万ほどの人件費がかかって1千400万とすると、一般管理費が総額1億5千4百万に増ることに。

一般管理費1400万アップして1.1倍になってしまうのは、かなりもったいない気がしますが・・・

実は粗利1.36倍と一般管理費1.1倍の差がここで劇的に効いてくるんです。

営業企画ありの営業利益は、粗利5千4百万から一般管理費1億5千4百万を引いた5千万円になります。

つまり営業企画なしの対し、営業企画で一般管理費が1.1倍に増えても、営業利益1千万円から5千万円へ、なんと5倍の爆上がり!

1億X2X0.3(トップ営業マン)+1億X8X0.6X0.3(営業企画の支援を受けたフツーの営業マン)ー1億5千4百万(営業企画を加えた一般管理費)=5千万円(営業企画で改善された営業利益)

売上や粗利が1.36倍になるだけでも結構スゴイのに、会社にとって重要な営業利益はさらにアップの5倍!

利益額で考えると営業企画なしのケースは営業利益1千万円、ありの営業企画ありのケースは5千万。

営業企画ありとなしの利益の差額は4千万円ということになります。

営業マン一人ひとりの質を特にあげなくても、直接はただの1円も売上げない営業企画が機能すると、営業全体の質が爆上がりしてしまう。

そしてその結果、営業利益が5倍になるという事が起きてしまう。

じつはこれが営業企画機能のパワーというわけです。

「優れた営業企画のコストは、得られる利益に対して見合うものなのか?」その答えは「火を見るよりも明らか」というわけです。

ではそろそろまとめに入りましょう。

冒頭タイトルの「営業企画は営業部門の〇〇を△△することで経営品質をアップさせる」の答えは

「営業企画は営業部門のフツーの社員のパワーをスーパーにアシストすることで利益を5倍にできる」

だったというわけです。

したがって、ジミでクリエイトに関わってないように見える優れた営業企画は「利益がでる営業」をクリエイトしていた、と言うことが出来ます。

サワダの経験上、大手のトップ営業と中小のトップ営業との力の差って実はそんなにあるわけではないんです。

ましてやフツーの営業の個人的な力量もそんなには変わりません。

あってせいぜい給料の差が埋まるくらいで、2倍も3倍もあるわけではありません。

でも実際に上がる利益は全然違います。

私サワダは、上場企業はじめ大手企業の生産性は、人材一人ひとりの優秀さというよりは、優れた営業企画に代表される、フツーの人材の力を自然と引き出す構造(仕組み)がもたらしているんじゃないかなと思っています。

ですから中小企業といえど、営業企画に代表される構造のパワーの恩恵に預かることができれば、利益が5倍になることもぜんぜん夢ではないんです。

じっさい当方で利益5倍は起きましたので、自信があります。

次回からは、営業企画は具体的にどういうことをして利益をクリエイトしているのかもう少し詳しく書いていきたいと思います。

今回のまとめ

1、地味でコツコツな営業企画は、「利益がでる営業」をクリエイトし、確実に会社の成長を促進する

2、営業企画はフツーの営業マンを、トップ営業マンの成功定理の可視化・公式化でアシストし、フツーの営業マン・スーパーに変身させることで経営品質をアップさせる

3、中小企業が営業企画のパワーで利益が5倍になることは決して夢ではない

LABO日記 記事一覧へ