〜今後 我々エースラボが取り組んでいきたい事など〜
私沢田が経営支援チーム「エースラボ」を作り、中小企業の経営実務の改善をお引き受けすることになってはや4年の歳月がたとうとしています。
おかげさまで、結構早い段階から採算ラインもキープ出来ていて、契約先も少しづつですが増えてきました。
運や人に恵まれたこともありますが、ときおり申してます通り、比較的付加価値の低い(つまりもうからない)業種の経営を長く続けてきたおかげで、もうかるようになる間接業務の改善や、経営が安定する財務改善のかんどころを知っており、それが契約先さんのお役に立っているからなのかな、と思います。
私は現在60歳ですが、もうしばらく(10年くらい?結構長いな😁)はお客様の支援を続け、「エースラボ」を事業会社化し、その間に力をつけた若いチームのメンバー引き継ぎ、中小企業の経営業務支援を続けてもらいたい・・・なんてことを考えています。
中小企業は、日本の企業数の 99.7%を占め、日本全体の雇用の7割を抱えている巨大セクターなのですから、これからもがんばってもらいたいですしね。
しかし、菅義偉前首相のブレーンともいわれた、小西美術工藝社長、デービット・アトキンソン氏は
「日本の低生産性の元凶は中小企業にあり。」
「したがって中小企業は保護せず、再編やM&Aでいわゆる中堅企業にまでまとめ上げ、社長や管理部門の人数を減らして生産性を上げていくべき。」
「保護なしで、もたない中小企業はどんどん潰れてもらって結構。」
と主張しています。
実は中小企業のミカタのはずの沢田も「日本の中小企業はムダに多すぎるんじゃないか?」と感じておりまして、
「国がどんな支援政策を取ろうとも、昭和や平成に創業されて寿命の来た中小企業の廃業・倒産の波は止まらないだろう。」
「令和に入って優秀な若者によるスタートアップブームが本格化しつつあるが、彼らは中小の位置にとどまらず成長し、IPO(上場)するか、バイアウト(売却)するか、その体験を手土産に大企業に就職するかするだろう。」
とも考えてまして、中小企業の激減は必然であろうという悲観的な立場です。
だってそうですよ。
まわりを見渡せば、ここは古墳時代の日本?それともマッド・マックス的な核戦争後の世界?と見まがうばかりの地方豪族・小ボスたちの群雄割拠。
「ツバメは小さくとも五臓六腑がそろう」なんていいますが、それぞれの小さな会社にそれぞれきっちり社長の交際費や間接部門の管理コストが会社ごとにかかるものですから、残念ながら生産性はさっぱり上がりません。
では、とばかりに社長がみずから現場で汗をかき、しかも間接部門は経費節約のためパートさんのみで肝心の管理者が不在、となれば、中枢神経を持たないウニやイソギンチャクのごとく、やはり生産性が上がらず、「うちは中小企業だから・・」と言い訳ばかりは増えますが、やはり給与も待遇も、ついでに行政・インフラを支える納税額も上がりませんね。
ついでにいえば、「税金を払いたくないから無駄遣いして利益を減らしてるる」なんて我欲と行政不信がごちゃごちゃになった御仁もいらっしゃって、私なんぞは「一体どんな気持ちで舗装された国道を高級外車で走っているのだろう?」という気持ちになってしまいます。
(この手の方々はなぜか税金を払わない為に社員の給与を上げよう、とはあまり思わないようです。)
アトキンソン氏の言うように政府が中小企業の無理な支援をやめて、中堅企業にまとめ上げて行けば、まとめれられる側の中小企業経営者は困るでしょうが、無駄な中間コストが減り、全体の生産性が上がって社員の給与は上がっていくだろうな、ということは容易に想像がつきます。
そんなある意味「非中小企業派」の私(中小の社長のくせにね)が、なぜ中小企業の経営実務のサポートにいそしんでいるかと言いますと、
「それでも日本を救うのは中小企業」と考えているからなんです。
と言いますのも中小企業が今後中堅企業にまとまって行くときに、そのトップになるのは優秀な中小企業の社長であるべきだからです。
逆に大企業やその系列会社が数多の中小企業をどんどんM&Aしていけばいい、という考えも一応成り立ちます。
しかしそれで日本の生産性は上がるのか?というと、そうではないと思います。
なぜなら大企業の方は確かに優秀なんですが、実際に会社をよくすることよりも、社内の出世につながるテクニックのことで頭がいっぱいです。
ですから彼らの基本姿勢は「中の人」としてその企業の文化にどっぷりハマっていれば世間がどうなっていようがお構いなし、というものなんです。
過去から現在に至るまでのいろいろなお付き合いの中でも、企業規模が大きくなるほど自分の権益の保護に熱心で、会社のビジョンや上がる利益のことにあまり関心がないな〜と思う人が見受けられるものです。
というわけで、そんな大企業やその子会社の幹部の面々が、M&Aした中小企業のトップに収まっても、親会社の支援で現状維持くらいはできるかもしれませんが、生産性は特に上がらないと思うのです。
かと言って前述の「社長も現場で汗をかき、間接部門も貧弱な中小企業」同士が合併しても、やはり生産性は上がらないと思います。
イソギンチャクの群生のように、寄り集まって生きるのは単独でいるよりはまだマシでしょうが、1 + 1=2程度のことしか期待できません。
全体の生産性を上げるには、やはりAx(B+C)のような掛け算の要素が必要です。
もし、小さなツバメのように五臓六腑がそろい、抜きん出て中枢神経が優秀な企業が他の中小企業を率い、統合を進めていったら・・・
彼らはきっとAx(B+C)のAの部分を担うことになり、アトキンソン氏が言うように、日本の生産性は向上するでしょう。
なんせ日本の企業数の 99.7%を占め、日本全体の雇用の7割を抱えている巨大セクターである中小企業が効率化するわけですから・・・
契約いただいている中小企業さんには、ぜひこの効率化の中心であっていただきたい、ぜひ俊敏なツバメになっていただきたい。
現状で中枢神経が弱い企業さんには、その機能を私たちがお貸しすることで経営実務の基盤を整え、思いっきり事業に集中していただき、中小企業淘汰の波を乗り越えていただきたい。
さらに申し上げますと、実はこちらはこちらでエースを「日本中の中小企業の間接部門をエースで総まとめ」「地味でめんどうな経営管理はエースにおまかせ!」
そんな「ビルやマンションの管理会社みたいなことができないかなぁ」なんて壮大な皮算用もしていたりします。
確かに強い商品開発力や企画宣伝、営業などいわば表舞台の仕事がなければ事業は成立しません。
しかしその事業を成長させるには、経営管理や人事総務・経理などの地味めな裏方仕事である間接部門の仕事の充実と効率化が欠かせないのです。
このめんどうで、出来れば目を向けたくない間接部門の充実と効率化が後回しになっていれば、どんなに素晴らしい商品・サービスがあっても、強い営業力があっても、生産性は上がらず、競争力はつかず、したがって将来にわたって稼ぐ力をつけることはできず、成長もできないのです。
もしこの充実し効率化された間接部門そのものを、エースが皆さんの代わりにお引き受けできたら・・
もっともっと皆さんの本来の力を活かすことができて、成長できるのでは、中小企業淘汰の時代を生き残って、さらに皆さんが発展できるのでは?
もちろんこれは、まだまだ夢のような話で、私達もさらに力をつけていく必要があります。
それでも、私たちはコツコツ粘り強く、この夢を実現していきたいなぁ、と考えております。
☆実は全国の7割を雇用する中小企業が日本の付加価値の5割しか創造していません(日本商工会議所資料より)。もし中小企業が大企業や中堅と同じ生産性を持つことになったら日本の生産性は1.55倍になります
ここまで読んでいただきありがとうございました。
「沢田とは別の意見がある」「もう少し議論を深めたい」かたはご遠慮無く連絡くださいね。