「・・・ばかばかばか 俺たちのバカ!」
遠い昔の学生時代、
すごすごと電車に乗り込んだ私とその友人は
買ったばかりのテニスラケットをひざに、がっくり肩を落としました。
この日、東京の大学(もちろん東大ではないですよ)で同じテニスサークルに所属していた私達はバイトで貯めたお金を握りしめ、アパートのある東京23区外から電車を乗り継ぎ、上野にある大型スポーツ店にテニスラケットの買出しにでかけていたのです。
ご存じの通り上野は安売りのメッカ
(確かアートスポーツの)店員さんはお目当てだった当時人気モデル「YONEX-R7」を、かなり気前よく値引きしてくれ、二人はホクホクとして店を出ました。
すると、そんなゴキゲンな二人の目に飛び込んできたのが、赤いネオンと大きな花輪。
・・そう、当時御徒町は安売りと同時にパチンコ屋さんのメッカでもあったのでした。
「(やってく?)」
二人はラブホを前にしたバカップルみたいに無言でうなずきあい店の中へ・・・
・・・でだいたい40分後・・・ハイ、皆さんの予想通りです。
ラケットの値引き分10倍くらいの、電車賃以外を全部をむしられた私達は、ハニワのような顔で電車に乗り込み、冒頭のごとくがっくり肩を落とした、というわけです。
その後もこいつとは「1,2円安いガソリンをもとめて何十キロもドライブしてご満悦」、とか、そんなことばっかりやってましたね。
「金はないけど時間だけはたっぷりありましたからね、、、あはははは」
「、、って金も損しているやないかい!」
そんな彼もその後は体験に学んだのか、卒業後は堅実な銀行マンとなってご活躍と聞いています。
一方私のほうはと言いますと、
・夜寝る前に本能のおもむくまま「柿の種」を食べてしまい、胸焼けで目覚めるステキな朝を迎えてしまう
・飛行機の出発5分前、ロビーの売店で生ビールの大を買ってしまい、当然飲み切れずに機内に持ち込み、離陸時にこぼしそうに。
・窓側の席で、通路側隣のご婦人の白い目を肴にマスクをずらしながらちびちび飲む。
・さらにトイレに行きたくなったが、怒られそうで我慢。
などなど、いまだに「堅実」とは程遠い日常。
この年(58)になっても相変わらず、目先のことに気を取られて事の本質を見誤る事が多いように思います。
そんな私の会社には「類は友を呼ぶ」といいますか・・・
・印刷したパソコンの資料をも一回スキャナにかけてPDFにメール送信。(これをDAD デジタル→アナログ→デジタル と呼んでます)
・無線LANで使えるプリンターのコンセントを外してわざわざ自分のデスクまでもってくる。
・タスクリストを書いた順番に黙々とこなした結果、緊急度も重要度も高いリストの末尾のタスクにいつまでたっても着手できない。
・イシュー(課題)の完全解決にとらわれて、どうでもいい枝葉のことに膨大な時間を使う。
といった「ゆかいな仲間」たちがひしめいています。
海賊船の船長: 「(海に向かって指を指し)あれを見ろ!」
海賊船の子分: 「船長 そろそろ爪を切ったほうが・・」
海賊船の船長: 「バカモノ! 見るのは指先じゃなくてその先に見える獲物の商船だ!」
なので会社は、こんなコントにも似た毎日です。
でも、そんなオマヌケの数々を毎日毎日ちょっとずつ改善していくことで、時間はかかりましたが、いつの間にかずいぶん効率的な会社になってきました。
(かなり投資をして得た知見がコンサル先で役立つことも多くなってきました。)
それでもやはり、コントのネタはなかなか尽きそうにもありません。
「雑巾はまだまだ濡れている」 「ボトルネックは日々移動している」
というわけでスループット(時間あたり生産性)増大の楽しい旅はまだまだ続きそうです。
☆おまけ
そういえば10年ほど前、「工場の排風ダクトの風で風力発電」する装置を売り込みに来た人がいました。彼は排風ダクトの風はそもそも何で作られていると思っていたのでしょうね。やはり類が友を呼んでしまったようです(笑)。
☆☆おまけ
航空機客室内の空気は強制換気されていて、なんと3分で全部入れ替わるそうです。
(離陸前の安全のしおり動画で社長がわざわざ図入りで説明してくれてます。)
さらに最近の機内はみんなほとんど無言なので安心ですよ。
☆☆☆おまけ
ちなみに新幹線は5分、一般的な通勤電車は(窓をちょっと開けていれば)10分で空気が入れ替わるとのこと。