Vol.9_「やめるとわかる本当に好きなこと」

このレターを皆さまがお手にしている1月はじめ、センター試験を控えたうちの末娘はまさしく受験勉強のラストスパートを迎えてることでしょう。

と言いますかこれを書いている12月もラストスパートのはずなんですが、時どき部屋に様子を見に行くと、たいていイヤホンをして音楽を聞きながら問題を説いていたり、もっとひどい時は友達とラインや電話をしながら参考書を読んでいたりします。

「そんなで頭に入るの?」と聞いてみると「え? 普通に入りますよ」とにべもない返事をされ、なんか納得のいかない私なんです。

まあ、あまり追求はしないことにしているのは、ワケがありまして、、、

実は私自身も音楽かけながら仕事の文書書いていたり、趣味の週末クッキングも何かしらの音楽をかけながら料理していたからなんです。

そういえば受験生だった頃の自分自身、音楽かけながら勉強していてよく怒られました。

たぶんラジオを聞きながらの「ながら勉強」というのがはやりだしたのは、私たちの世代あたりからではないでしょうか、たしか私も友達のマネをして始めたような気がします。

当時はとにかく親から「ダメ」と言われると余計やりたくなる反抗期、怒られる=「わかってないな〜」と親を馬鹿にする絶好のチャンスなわけですから、「ながら勉強」をやめるわけがありません。

まあ、結局その頃の流れで反抗期がとっくに終わってからも、なにかする時はラジオや音楽を聞きながら、という事になっていたのだと思います。

電車での移動中もたいていワイヤレスイヤホンで何かを聞きながら、という感じだったんですが、最近になってなんか耳の聞こえが少し悪くなってきたように感じだしました。

イヤホンのせいなのか加齢のせいなのか分かりませんが、しばらくイヤホンを自粛してみたたところ、私は妙なことに気づきました。

「街の騒音が気持ちいい」

クルマのタイヤが奏でる走行音、風の音、何を言っているかはわかりませんが待ち行く人々のさざめき、鳥の声などなどが超立体的に迫ってくるんです。

音の世界では、測定を目的としないのに入ってくる音のことを「暗騒音」と呼ぶらしいんですが、まさしくそう呼ぶのがぴったりな感じで、それが自分にとっては大変心地良いことに気づいたんです。

自宅の個室に戻ってもやはりそう、よく「しーんと静まりかえった」なんて表現がありますが、本当に「しーん」という音が聞こえてきます。

「しーん」を聞きながらの仕事がまあはかどるはかどる。

さらにあらためて聞いてみると事務所での社員さんの会話やタイプの音も集中を助けるなかなか良いBGMだいうことに気づきました。

まあなんと今頃になってやっと自分の一番好きな音にたどりついたわけです。

音の他にも、案外これまで自分が良いと思っていることが、ただの惰性だったりするのかもしれません。

皆さんも、自分の「当たり前」や「好きなこと」、本当にそうなのかどうか一回〇〇断ちしてみるのも良いかもしれませんね。

・・もし学生時代これに気がついていたら??

まあ、気持ちよすぎて眠っちゃったでしょうね(笑)